バッハフェア・11月30日をもって終了致しました

お知らせが遅くなりまして、大変失礼致しました。最終日、特に多くのお客様がいらしてくださり、後で書籍売れのデータを確認したところ、最終日に一番多くの書籍が動いていたことが判明致しました。(なぜか最終日はグールド売れまくり、あとは最後まで動きました、ナツメ社の『バロック音楽の名曲』・・・)最終日がちょうど休日にあたったこともあり、とても良いフェアの最後を迎えられたと思います。細かく資料などをお送り頂き、またお店に足を運んで頂いてサポートして頂きましたcommmonsのみなさま、その日のうちに「21世紀の音楽入門」を重いにもかかわらず手持ちで納品して頂きました教育芸術社様、フェアを見に来て頂いたアルテスパブリッシング様、フェアの棚前で最長ではないかと思うほど熱く「音を視る、時を聴く 哲学講義」の良さについて語られましたのになぜか「音盤考現学」をお買い上げ頂いた赤々舎担当さま(素敵ですが!)、バッハ声楽全集に関して細かくお知らせ頂きました慧文社様、またバッハ本をかなりの点数お願いした東京書籍様、音楽之友社さまはもちろんのこと、フェアにご協力頂きました多くの出版社の皆様、また、池袋店スタッフ様、フェアを紹介して頂きました新宿店のアカデミック坂口憲二・阪根様、フェアリスト作成にご協力頂きましたスペシャルゲスト様、そしてお忙しい中何度もご自身のblogで素晴らしい文章と共にフェアを紹介して頂き、もうもはや選書以上の、絹の目のごとく細かいお心遣いで助けて頂きました門松さま含め、scholaという素晴らしい書籍を作って頂いた執筆者・編集者の皆様、しかし何よりもフェアに来て頂いた多くのお客様に心よりお礼申し上げます。とにかくこの一月いろいろありすぎて短いようで長くもあり、なぜか晩にフェアリストを電車の中で読み直していた記憶が一番鮮明に残っています。今現在はバッハフェアの場所で別のフェアが行われており、朝晩CDプレーヤーの電源を切ることももうありません。 昨日ジュンク堂に上がる手前の階段でなぜか「心と口と行いと生活が」が流れているのでもはや自分の頭がおかしくなったかと思いましたが、何のことはない、三越環境音楽にそれが含まれていたという話で、これからも私の生涯でこのようなことは数え切れないほどあるのでしょう。フェアの棚からそれぞれの分類の棚に戻っていった書籍に関してもそれは同じで、本を業務で棚に入れるたび「フェアに入った本だ」と思い、忘れていく本もあり、そんなことがお客様のうちに少しでもあればいいなと思います。今回、門松様も紹介されていました「EV.cafe」ラストの脚注にまさしくこれは、と言うしかない文章が載っていましたのでご紹介させていただきます。


72 テキスト 単に読者に意味を読みとられるのを待つ書物ではなく、読むという行為が、それ自体で言説の再構成・意味の生成をしていくような作用をうながす書物を指す。参考文献としてロラン・バルトの『テクストの快楽』(みすず書房)。

(EVCafe・講談社文庫・P370より)


EV.Cafe  超進化論 (講談社文庫)

EV.Cafe 超進化論 (講談社文庫)

バッハフェアが終了し、少し期間をおいてからまた新しいフェアを始めますが、最近まさに自分の店含め、書店という場所が単に静かな、落ち着けるスペースだけということではない、つきつめるとものすごい情念が渦巻く場所であるということを思い知らされます。30mほど隣で行われていた保坂さんフェアにがまさにそうだと思うのですが、なぜか同じ本であっても「手に取りにくい場所」というのと「手にとりやすい場所」というのが存在し、それは展開のしかたであったり、人の流れであったりし、(必ずしもある一定の書店で買いたくはならない本もあったりして妙なところです、私の場合、例えば長嶋有さんの本はよく考えたら99%ブックファーストさんで買ってますが殺されます・・・)とても面白いと思いました。今回、フェアのために始めた日記でしたが、新しくいろいろ始まる他ジャンルのフェアなどについても書いていきたいと思います。とりあえずそろそろ始まる、一番新宿店の情念を根源的に体現されている方、新宿店のトランスクリティークナボコフ(外見は画家のバルテュスに酷似している、気品溢れる書店員とは思えない貴族のような外見の私の上司の方です、本もあまり手に持っているのを見たことがありません)のフェアについてひみつで書こうと思っていますが、いかんせんひみつなので書かなくなったらナボコフに怒られたと思って下さい。

鈴木志保さんトークも行く予定です。また、1月からはこれもひみつですが、三人の魅力的な紳士によるフェアを画策しています。このフェアは実現したら多分(私が)死ぬのではないかと思うほどものすごいお名前の方のフェアなのですが、また詳しく決定しましたら掲載する予定です。こちらもお楽しみに。