人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる。

スコラジャズフェア、また、りたーんずフェア、明日までです!
早い。
このひと月何をしていたのか。
スコラフェアでは「東京大学アルバート・アイラー」文庫版がちょこちょこ動いています。あと山下さんのこれがいきなり入ったのでびびりました(これはフェア裏側、ジャズアーティストのコーナーにあります)

蕎麦処 山下庵

蕎麦処 山下庵

あと、メディア総研さんのこれはコミック書かもしれません、うちの店の場合。

僕とうつとの調子っぱずれな二年間

僕とうつとの調子っぱずれな二年間

  • 作者: 三保航太,はらだゆきこ
  • 出版社/メーカー: メディア総合研究所
  • 発売日: 2009/05/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そうだ。堀江敏幸さんの写真展が6月15日から始まるそうです。

フェアの出し入れが近付くといつも「王様のレストラン」(三谷幸喜さんのフジテレビのドラマ)を思い出します。店が物凄い状態でお客さまを入れなければならず、後で落ち着いたとき、お客が食べるのを目にしてオーナー(筒井道隆)が「いい気なもんですよね、何があったのか知らないで、あの人たちは食べてる」というのをギャルソン(松本幸四郎)が「いいんです、それが、レストランです」と窘めるシーン。
あのドラマのせいで潮来笠までもれなく、橋幸夫の歌をあらかた歌えるようになりました。下のは名盤。
と思ったらライナーを大瀧さんが書いていらっしゃるのですね。

スイム!スイム!スイム!

スイム!スイム!スイム!


写真展の続き。坂本政十賜さんとトーク終了後、少しお話させて頂きました。どうしても聞きたかったので装丁について。2冊、パリとイタリアの風景写真集をリコシェさんから出版されておられるのですが、両方ともソフトカバーで、そのうちひとつの判型がどちらかというとガイドブックを彷彿とさせるというか、四つに開くマップにも近いような感じがし、気になっていたのでそのことについて。「ソフトカバーで、というのは指定をしました」と仰られていました。

FLOATING

FLOATING

TRAVERING

TRAVERING

祖父が登りもしないのに山岳の写真集を持っていて、小さい時分、それを使って妹とインディジョーンズごっこをしていました。超くだらない遊びです。崖のページを開いて、少しずつ、インディジョーンズの音楽を口で流しながら目ギリギリにページを近づけていくだけの遊び。妹の顔に何回か落として遊んだため、祖父から重い写真集でそれをやるのは禁止、と取り上げられました。軽い写真集は許されました。それもどうかと思うが。

坂本さんの写真を見てすぐに「インディの崖」のことを思いました。今回の展示写真も含め、そこには人物も写っているものがわりと多かったのですが、どうしてか。目ギリギリに写真のページが近付いたとき、そこに焼きつく風景にそれはとても近いのだと思います。今の状況だと例えば、週刊誌の適当なページを顔に被せて床に寝転がり、起きたときに視界の隅に映る風景。例えば多くのデモ隊のうちの一人の老人、そういうものに坂本さんの風景はとても似ているように思います。遠景で写したものをものすごく近くで見る。そのとき人物がいる。少しだけ過剰にフレームに近付いているような感覚がします。山方さんの時とは、全く違った意味でぞっとします。目に近づけた時の一番いいところ、気持ちよさをどうしてここであらわせるのだろうと思う。写っている人物に何らかの表情や、ストーリー性を感じたときに嬉しさがこみあげるのは、その「遠いのに」という感覚もあってこそではないのか。

「ソフトカバーなのは寝て見るときのためですか」というのを聞こうと思いましたが途中で自分が何を喋っているのかわからなくなり、恥ずかしさもあってうやむやになってしまいました。悔やまれる。

DP兄貴のトークではまず坂本さんの「フレーム中の地面の範囲の多さ」について提示されていました。「カメラを水平にまっすぐな構えにして、自分の目線で撮った(上下をしない)結果、地面が多くなってしまうのです」(坂本さん談)とのことでした。竜安寺の石庭と坂本さんのフレームの類似点についての論考が面白かった。坂本さん、山方さんの展示は6月2日までです。ぜひ。