佐々木敦さん×戌井昭人さんトークショーのお知らせ

もっと早くお知らせすべきところ、こちらでの通知が遅れに遅れまして、大変申し訳ありません。恒例佐々木敦さんトークショー、次回は戌井昭人さんです!


J U N K U 佐々木敦さん×小説家連続トークセッション(第七回)


      戌井昭人さん「まずいスープ」(新潮社)刊行記念

      2009年11月18日(水)18:30開演(18:00開場)

      

佐々木敦×戌井昭人   

  イート イン


誰と食べるかどこで食べるか。家で食べるか、家を出て食べるか。
なにを口にして、なにを残そうとするのか。
佐々木敦さん×小説家連続トークも、はや七回目。
ゲストには劇団「鉄割アルバトロスケット」でおなじみの、戌井昭人さんをお迎え致します。
そのパフォーマンスから小説の技法に至るまで、今回もじっくりと佐々木さんに迫っていただきます。
ご期待下さい!


講師紹介


佐々木敦(ささき・あつし)

1964年生まれ。批評家。HEADZ代表。雑誌『エクス・ポ』、『ヒアホン』編集発行人。
早稲田大学、武蔵野美術大学非常勤講師。
著書に『(H)EAR−−ポスト・サイレンスの諸相』『テクノイズ・マテリアリズム』(青土社)、『絶対安全文芸批評』(インファス)、『90年代論(仮)』(原書房・近刊)『テクノ/ロジカル/音楽論』(リットー・ミュージック)、『ソフトアンドハード』(太田出版)、『ex-music』(河出書房新社)、『映画的最前線』(水声社)、『批評とは何か?批評家養成ギブス』(メディア総合研究所)、
『ニッポンの思想』(講談社現代新書)ほか。



戌井昭人(いぬい・あきと)

1971年、東京生まれ。
パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」にて、台本、出演、諸々担当。
寸劇、不条理劇、音楽パフォーマンス、踊りなどをふんだんに盛り込んだその舞台は
熱狂的に支持されている。『まずいスープ』は著者初の小説集。





          ★会場…8階喫茶にて。入場料1,000円(1ドリンクつき)
          ★定員…40名
          ★受付…7Fカウンターにて。電話予約承ります。

            ジュンク堂書店新宿店
           TEL.5363−1300 FAX.5363−1301

戌井さんといえば「真夜中」でも新連載が始まったところ。(この連載、私と同姓の子供がダメな生徒の設定で出てくるので複雑な気分です)今月の「真夜中」、佐々木さんは出ているわ柴崎さんは出ているわ、長嶋さんも新連載だわ前田さんはお山に登っているわ、沖田監督のエッセーまで載っているわで恐ろしい内容だったので即買いました。特集はこども。

季刊 真夜中 No.7 2009 Early Winter 特集:おとなのための子ども事典

季刊 真夜中 No.7 2009 Early Winter 特集:おとなのための子ども事典


こどもといえば、小1くらいの人がうちの店の踊り場でお母さんに2時間くらい怒られていた。
彼はどうしたんだろう。考えてみれば、親にあそこまで長い時間怒られたことはなかった。長くても十分くらいで済んでいた。母親に関しては怒られたエピソードさえほとんどない。

母が怖いと思うことはよくありますが、特にそう感じるのは家事があまりにも良く出来すぎるからで、特にきんぴら類の刻みが料亭のごとく薄いからです。大人になって自分で料理したり、外食したりするようになってからわかった。ピーラーも料理的カッターみたいのも持っていないのに、どうしてあそこまでやるのか。考えてみたら、一見のほほんとして、妥協を限りなくしそうな外見なのに、全くそうしようとしない人だった。しかも毎日涼しい顔をしていた。泣いたり小言を言う姿は殆ど皆無だった。おばけのような女だと妹と噂した。妥協の仕方は全て父から教わった(蔵書を全部ナンバリングしようとしてテープで背表紙にナンバーを書きこんでいったが途中で放棄、途中からはナンバリングを母がやっていた)母が子供のころの写真を勝手に押入れから出して妹と見た。やはり子供とは思えない涼しい顔をして写っていた。このあと、すぐにあのきんぴらを作っていたとしてもおかしくない顔だ、手だ、と思った。

戌井さんの新刊「まずいスープ」(新潮社)表題作はやはり家族の話です。
三話目の「鮒のためいき」が素晴らしく、特に女の人が口からこぼすところを、何度も読んでいます。新潮社さんのサイトでは柴田元幸さんのほめにほめている「まずいスープ」論が読めます。ぜひ。


まずいスープ

まずいスープ