3にん
リトルモア地下で開催中の多田淳之介さん(東京デスロック)作、飴屋法水さん演出の「3人いる!」をギリギリで見る。行ける方は見たほうがいいです。といっても明日までですが。ものすごい混雑でしたが、迷っていたら本当に見るべきだと思いました。
すごい。
いろいろもう何と言っていいやらわかりませんが、
とにかくまず、役者さんのアランさんが素晴らしい!と書いておきます。あんな人がいるのか。あの人のことしかもう考えられない。(この公演は日によって役者さんが変わる恐ろしい公演ですが、今日の回はアランさんが出る回だったのです、明日はまた違う役者さんです)
2009年7月31日(金)〜8月12日(水)
飴屋法水「3人いる!」
構成・演出 飴屋法水
作 多田淳之介
出演 日本在住のさまざまな人たち
(8月11日(火)は■チーム11:出演/秋場賢人・ロワアラン・石川夕子)
照明 岡野昌代
舞台美術制作 彦坂玲子
演出助手 伊集院もと子
演出助手補 谷合優/村上愛美
制作助手 渡辺治子
音響サポート 浜里堅太郎
舞台・小道具サポート 西沢理恵子
宣伝美術 宮川隆
WEB 五十嵐哲夫
プロデューサー 増井めぐみ
企画制作 リトルモア地下
内容はネタばれになるので控えますが、(またあとで)
大人による素晴らしい狂気の「だるまさんがころんだ」
もしくは「金太郎飴工場の反乱」なのではないか。
日高優さん著「現代アメリカ写真を読む」(青弓社)をたまたま今日もまさに会場に持っていって読んでいたけれど、第二章「ドゥエイン・マイケルスの身体の技法」という章がまさにこの公演とがっちりシンクロしているように思えたので引用。
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マイケルスの写真を見るという経験は、傍観者さえも最後には動かされてしまうように他者との関係性を感受するということ、膨大な映像を消費するなかで磨耗された傍観者という位置を取り戻し再確認する経験である。(p185より)
ちなみにこの章で取り上げられるマイケルスの写真は、スタジオで撮られるのではなく、街頭で、もしくは室内の風景の中に決めておいた登場人物を配置し、シークエンスを確立させるという手法によって撮られた「シークエンスィズ」という写真集から使われている。演劇の形式をも連想させる写真集だが、この写真集も今回の公演も、観者(舞台を見るお客という意味と、もうひとつ、舞台上に立ち現れる(「3人いる!」版はかなり激しく現れる)傍観者の意味が際立って表現されているように思う。
舞台の部屋に登場する小さい飾り、書籍、そしてラスト、登場してくるある小道具で最後に行われた動作でもう本当にやられました。あれが今回の演出で付け加えられたのだとしたら(前の公演を見てないのでわからないのですが)本当にすばらしい。脚本で演劇としてできることのギリギリまでを、そして小道具を使い、あの動作をさせるということによって、演劇とはまた別の表現形式にも覆い被さっていくような舞台をも同時に提示されたのだと思う。
明日はあしたで見にいける人がうらやましい。
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